類似の単語または同義語 丸木舟

漁具    0.616777

木製品    0.589440

巨石    0.583642

平底    0.566068

縄文    0.562556

土偶    0.560474

土器    0.553926

農具    0.544613

和船    0.543773

漁労    0.543607

類義語または同義語 丸木舟

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(まるきぶね)または独木舟は、巨木を刳りぬき一本の木で成形され、梁もしくはわずかなコベリを付ける以外付属構造物を持たない舟、いわゆる単材刳舟であるカヌーを主に指す。しかし、刳りぬき部材を前後に継いだり、左右に継いだり、刳舟の両側に舷側板を継ぎ足したり、刳った舷側に船底板を組み合わせたりと、さまざまに複材化したものも、と呼ばれる。
古代、歴史時代、現存のものを含め、多くの例を占める単材刳舟は、一本の丸太を刳りぬいて造られるものであり大きさは材料となる木で制限され全長5~8メートル程度が一般的である。だが、大阪市西淀川区大仁町鷺洲から発掘された古墳時代と推定される全長11.7メートルのクスノキの刳舟など10メートルを越す大型のものも存在した。
日本での先史時代のの発見例はおおよそ200例ほどで、その分布は関東地方に最も多く150例近くあり、そのうち千葉県での発見例は100例を数え日本全体の半分を占める。各地域での発見例では、千葉県北東部の縄文時代のラグーン(潟湖)が湖沼群として残る栗山川中流域での出土がことに多く、流域には山武姥山貝塚などの貝塚も分布している。次に多いのが滋賀県の琵琶湖周辺で25例ほどあり、福井県から島根県にかけての日本海側がこれにつづく。また、大阪湾では古墳時代のものと推定される大型のものの出土例が何例かある。
日本の先史時代のの出土例の多くは縄文後・晩期のものであるが、縄文早期や前期の出土例もある。これまで縄文前期のとして、福井県若狭町の鳥浜貝塚、京都府舞鶴市の浦入遺跡、島根県の島根大学構内遺跡、長崎県多良見(たらみ)町の伊木力(いきりき)遺跡、埼玉県草加市の綾瀬川や千葉県多古町の栗山川流域遺跡群などの出土例が報告されており、2013年には千葉県市川市の雷下遺跡(かみなりしたいせき)で、日本最古の縄文時代早期のものとみられるが出土した。このうち、千葉県多古町の栗山川流域遺跡群で1995年に出土したムクノキのは全長が7.45メートルあり、京都府舞鶴市の浦入遺跡で1998年に出土したスギのの現在長は4.4メートルであるが全長8メートル、幅0.85メートルと推定されている。また、埼玉県草加市の綾瀬川出土や千葉県市川市の雷下遺跡出土のものもこれに次ぎ、このような大型のは海洋での使用が十分可能であり、縄文前期には人々は、に乗って島々に出かけていたと推測される。
水上での最初の乗り物として、太古の昔より用いられたものであるが、モノコック構造であり(特に単材刳舟は)壊れることが無く、水に沈むことも無いので安全性が高く、後に大型の船舶が登場しても一定の役割を担い続けてきた船である。